リボンチャペル / 中村宏 & NAP

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May 29, 2023

リボンチャペル / 中村宏 & NAP

+ 20 建築家によって提供される説明文。 二つの螺旋が一つになる 広島県尾道市のリゾートホテル「ベラビスタ境ヶ浜」の庭園内に建つウエディングチャペル。 サイトは途中です

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建築家によって提供されたテキストによる説明。 二つの螺旋が一つになる

広島県尾道市のリゾートホテル「ベラビスタ境ヶ浜」の庭園内に建つウエディングチャペル。 敷地は瀬戸内海を一望できる高台の中腹にあります。 二つの螺旋階段を絡めることで、これまでにない構成の自立型建築を実現し、結婚という行為を純粋な形で建築的に体現しました。 単一の螺旋階段は水平方向には不安定で、垂直方向には振動しやすいため、非常に不安定です。

2つの螺旋階段を一方が他方を支えるように結合することで、自立する構造を生み出しました。 2 つの人生が紆余曲折を経て 1 つになるように、2 つの螺旋は高さ 15.4 メートルの頂上でシームレスにつながり、1 つのリボンを形成します。 彼らの運動の中心には、新郎新婦を支えてきた人々が待つチャペルがある。 チャペルの通路は既存のシンボルツリーに面しています。 祭壇はツリーの前にあり、80 席が木々の間から海を眺めることができるように配置されています。

通常、建物は屋根、壁、床という個別の要素で構成されます。 しかしここでは、絡み合う階段が屋根、軒、壁、床として建物の空間を演出している。 カップルが出会う頂上、見晴らしの良い方向、日差しを遮るため軒を深くしなければならない場所など、場所や機能に応じて階段の幅が広がります。

建物の外装は、時が経つほどに美しさが深まる白色塗装の立木パネルと、潮風に強く、曲面にも耐える柔軟性を備えたチタン亜鉛合金で仕上げられています。 笠木、壁、天井、窓サッシに亜鉛合金を採用し、単一素材で統一したシンプルなデザインを実現しました。

結婚式のチャペルの建築形式は常にルート構成に従っています。 花嫁は父親とともにバージンロードを歩き、挙式後は同じバージンロードが新郎新婦の出発ルートとなります。 この道を歩く過程で、一歩ごとに記憶と感情が呼び覚まされます。 幸いなことに、このチャペルでは、新郎新婦が別々の階段を登って頂上で出会い、一つになれるよう天の許しを求め、結婚を宣言するという儀式も行われます。 別々の人生を生きてきた二人は、再び一緒に階段を降りる。

シンプルな建物は道だけで構成されており、その道沿いに海、山、空、遠くの島々の風景が次々と現れては消えていきます。 小さな建物ではありますが、通路を全長160mに伸ばし、体験の幅を広げることで、新郎新婦の気持ちや司祭の思いに寄り添えるよう努めました。 (中村宏)

支え合うスパイラル

2つの階段が接近する4方向の4点を連結要素で結ぶことで、外側へのうねりを抑える立体的なフープ効果と横方向の力に抵抗する立体的なブレース効果を生み出し、2つの螺旋を相互に作用させました。支えて自立する。 垂直荷重のみを支える直径100mmの無垢鋼製中間支柱が内側のスパイラルをガシガシ支えます。 外側のスパイラルは、オーバーハングの形で内側のスパイラルに結合されています。 上部の鉄骨体積を軽量化するため、振り子式軽量建物用免震装置を採用しました。 最も足音による振動が懸念される外螺旋階段の3箇所に、オーバーハング型チューンドマスダンパー(TMD)を設置し、振動を抑制しました。

基礎工事を取り外すと、建物は自重により最大 30 mm の回転沈降が起こり、中間柱が傾く可能性があることが予測されました。 そこで、沈降を引き起こす所定の自然回転力と同量の逆トルクがかかる構造モデルを開発しました。 その結果、施工時に意図的に傾けた柱は竣工後は垂直となり、階間の誤差は2/1000以内に収まりました。 この繊細かつ大胆な構造デザインを手掛けたのは、アラップの柴田育英氏。 (中村宏)